桜守について
1.桜守の必要性
2.桜守の類型
3.桜守の位置づけ
4.桜守の役割
5.桜守の運営
6.桜守と行政の役割
分担
7.桜守の拡大方策の
考え方
8.桜守が地域づくり
に及ぼす効果
9.桜守の将来展望

桜の知識
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桜守とは


美しい山形・最上川フォーラムは、最上川を軸に日本一の桜街道を目指すことを提唱している。そして、たくさんの人が花を楽しみ、地域を大切にし、地域が活性化することを志向している。

ただ、桜を植栽しただけでこの目的を達成することは不可能である。桜は野生種もあるが、基本的に林業でいう「保育」(世話をする維持管理)をしなければ、健全に育てることは難しい。桜は適切な保育をしなければ、病気になるし、養水分不足で雑草にも負けてしまい、ひいては枯れてしまいかねない。根元の草を刈り、絡みついたツタ類を除去し、折れた枝は切除して、根元には肥料を施すことが必要である。桜が花を着けるまでの過程を見守る保育を欠かすことはできない。こうした役割の担い手を、本報告書では、用例のある「桜守」という名称で呼称する。

現代の桜守として知られた16代佐野藤右衛門氏(注)は「たった五日の美しい花を咲かせるためには、残り三六〇日を、誰も見向きもしない桜を気にかけて世話をする人間が要るのである。何処であろうとかまわず出かけていって、手入れをし、貴重な種は絶えず保存していかなければならない」と自著で述べている。この言葉に桜守の基本的な役目が凝縮されている。

しかし、このようなことを単に桜が好きだからできるというものではない。桜の植栽場所や種類をどこかで決めて、植栽したものを「さあこれからこの桜を管理してください」といった従来の方式では、持続的に行うことは困難であろう。自分たちで決めず、自分たちのものでないから、管理が放棄されたり、管理費の切れ目が縁の切れ目になってしまうのである。桜守は、住民参加の地域づくりとして捉えていくことが重要である。

桜守の活動を続けていくには、活動自体が楽しいものであり、地域の環境に目を向けて子孫へ伝えていくという内発的な動機が必要である。この内発的な動機づけこそ持続的な桜守活動の要諦である。

(注)16代佐野藤右衛門:京都市右京区で代々植木造園業を営み、現在当主が16代目を名乗る。14代、15代とも桜守として知られ、桜の品種の収集と保存、桜図譜「さくら大観」を出版、そのほか丸山公園(京都)の桜の移植、兼六園での菊桜の接木など日本の名桜を守るために尽力している。

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